ニュース&トピックス

【重要】破傷風に関する注意喚起(伝達)
2024.07.03

都道府県ライフセービング協会
JLA加盟ライフセービングクラブ
ライフセーバー 各位

海浜の利用者やライフセーバー自身の健康と安全を守るために,破傷風について正しく理解し,予防策の徹底をお願いいたします.

<破傷風とは>
土の中には破傷風菌が存在しています.外傷を負い,傷口から土・泥・砂などから破傷風菌が侵入すると,破傷風に感染することがあります.感染すると,潜伏期間3-21日(平均10日)後になってから,毒素が神経を過活動にすることで,全身のこわばりや筋肉の痙攣が起こります.はじめは顎や首の筋肉がこわばり,口が開けにくくなり,次第に症状は全身に広がります.重症の場合は,身体を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのち,死に至ることもあります.日本では,現在,年間約100人が破傷風を発病し,うち5-9人は破傷風が原因で死亡していると報告されています.
破傷風はワクチンによる予防効果が大きい感染症です.したがって,予防接種が義務付けられていなかった1968年以前に生まれた方,何等かの理由で予防接種をしていない方は破傷風にかかりやすく,一方,正しくワクチンを接種している場合は,10年近く効果は持続するといわれています.多くの成人は,免疫が十分ではありませんので,砂浜でスポーツや作業をする場合には予めワクチンを接種しておくことをおすすめいたします.
傷口に土がついていたり,漂流物等で怪我をしてしまった場合は,速やかに傷口を水道水等でしっかり洗い,すぐに医師の診察を受けましょう.

<海浜利用者への注意喚起例>
海や海岸にはさまざまな漂流物がありますが,建築廃材に残っている釘,釣り具の針などは,それを踏んで足に刺さると破傷風を発症することがあり危険です.
ライフセーバーは毎朝・毎夕、浜の清掃を心掛けていますが,夜の間に打ち上げられていることがあります.素足で浜を歩く時は十分に注意し,なるべく,サンダル・マリンシューズを着用するようにしましょう.もしけがをされた場合は警備本部等,お近くのライフセーバーまでお知らせください.

破傷⾵に関する注意喚起 (伝達)PDFファイルダウンロード

<参考>
NIID国立感染症研究所: 破傷風とは
アメリカ疾病管理予防センター(CDC):Yellow Book 破傷風

JLAメディカルダイレクター
JLA救助救命本部
JLAアカデミー本部

ニュース 一覧へ