救助救命本部

津波フラッグについて

津波フラッグとは


令和2年夏より、赤と白の格子模様の旗を「津波フラッグ」として全国の海水浴場や海岸付近で導入する取組が始まります。
津波フラッグを用いることで、聴覚障害者の方や、波音や風で音が聞き取りにくい遊泳中の方などが、津波警報等の発令を視覚的に認知できるようになります。
津波フラッグが掲揚された場合、大津波警報、津波警報及び津波注意報等が発令されていることがありますので、速やかに避難を開始して下さい。
津波フラッグは、長方形を四分割した、赤と白の格子模様のデザインで、縦横の長さや比率に決まりはありません。
ライフセーバーによる掲揚のほか、旗を建物に掲げるなど他の手法によって掲揚されることがあります。
令和元年10月から令和2年2月にかけて、気象庁による「津波警報等の視覚による伝達のあり方検討会」が開催され、日本ライフセービング協会も委員として参加しました。
検討会では現地実験も行われ、赤と白の格子模様は、国際信号旗のU旗と同様のデザインであり、

  1. 視認性が高い
  2. 色覚の差に影響しにくい
  3. 国際的に認知されている
  4. 遊泳禁止と混同しない

というメリットが実証されました。
日本ライフセービング協会の加盟する国際団体、国際ライフセービング連盟(ILS)でも、水辺の緊急避難を示す旗として、赤と白の格子模様の使用を推奨しており、水辺の避難誘導旗として周知を日本ライフセービング協会は推進していきます。

U旗について

赤と白の格子模様の旗は、国際信号旗ではU旗と呼ばれており、海上での船舶の交信手段として世界共通で使われています。
U旗の掲揚は「危険が迫っている」ことを意味しています。
津波フラッグは、外国人にも理解されやすく、光の角度によっても影響されづらい中性的な色は避けた避難誘導旗として、U旗と同様のデザインが使用されています。
船舶からU旗と他の旗が同時に掲揚された場合、他の意味を持つ場合があります。

日本ライフセービング協会におけるこれまでの動き

2004年
12月26日
スマトラ島沖地震による大津波
2005年
6月
JLA津波対策小委員会設立
2005年
7月
海水浴場・クラブ(31/175)の津波対策実態調査
  1. 各クラブへ津波・避難に関する基本的な知識の伝達
  2. 各地域で津波対策に向けた取組が始まる。
  3. 下田LSCは、2004年のスマトラ沖地震による津波発生を受けて対策委員会を設置し、下田市と下田LSCが協力して津波災害を知らせる旗(赤白旗・U旗)を決定。下田市及び南伊豆町の海水浴場での運用が始まる。
    (下田LSC=下田ライフセービングクラブ)
2011年
3月11日
東北地方太平洋沖地震による大津波(東日本大震災)
2011年
4月
海水浴場・クラブ(62/129)の津波対策実態調査
2011年
6月4日
JLA津波シンポジウム
  1. 津波警報時のライフセーバーの基本原則
  2. 各海水浴場における具体的な津波対策
2011年
6月
津波に対するライフセーバーの行動ガイドライン作成, 各クラブへ周知
2013年
5月
津波避難時(注意報,警報発令時)に掲揚するU旗を推奨(サーフ教本改訂時)
2018年
7月
迅速な避難のため,津波避難時に放送するCDを作成し,各クラブへ配布
2019年
10月から
2020年
2月
気象庁による「津波警報等の視覚による伝達のあり方検討会」が開催され、委員として検討に参加。同検討会で、「赤と白の格子模様の旗」を用いることが望ましいとの報告書が取りまとめられる。