約170m沖合に設置されたブイを泳いで回り、その泳力を競います。スイムはライフセービングの基礎的トレーニングであり、シンプルなだけに泳力そのものが問われる競技で、レース時の波・風・潮流等のコンディションをいかに活かすか、判断力も重要になります。また、膝から腰丈の水深でスピードを保って走ったり、波をくぐったり乗りこなす技術も必要です。
パドルボードで約270m沖合に設置されたブイを回り浜へ戻ります。パドリング力や波に乗る技術が試される競技です。スタートでは集団に揉まれないように、走るスピードをボードに転換させて一気に前に出ることがポイントです。パドリングの速さだけではなく、波・風・潮流等の影響を受けるため、うねりや波を避けたり、逆に利用したりといったコース取りも重要で、最後のランまで気が抜けません。
サーフスキーで約300m沖合に設置されたブイを回り浜へ戻ります。元々救助活動で使用されていたサーフスキーは、競技用に改良され現在の形になりました。5mを越える長さがあるためスピードは出ますが、最も扱いにくい機材です。パワーで波を切り裂き、立ち向かう姿は圧巻です。どの選手が1番ブイを最初に取るか、また戻ってくる時のコース取りも見どころです。
スイム・ボード・スキー・ランの4種目を1名で行います。レース前に実施される抽選で競技順が決定し、その順番によって展開が大きく変わってきます。各種目の技術と4種目をやりきる体力、そして状況判断力と、総合力が問われるライフセービングスポーツの花形競技です。勝者は“ミスター(ミス)ライフセーバー”の称号にふさわしいでしょう。
20m離れたバトンラインに背を向けうつ伏せになり、競技者より少ない数で置かれたフラッグ(バトン)を奪い合うビーチの花形競技です。テレビ番組等でもお馴染みとなり、ライフセービングスポーツで最も知名度があります。四方を囲まれたコートの中で静寂と歓喜が繰り返され、ライフセーバーに欠かせない体力・スピード・判断力、そして集中力が問われます。
陸上100m走のように、砂浜の直線コース90mを駆け抜けるシンプルな競技です。柔らかい砂の上を走る場合、蹴った力が砂に吸収されてしまうため、強く蹴り出すことよりも足を前に大きく運ぶことが重要で、陸上の走り方とは異なります。ライフセーバー最速のスプリンターを決める戦いに注目です。
水際と並行に設定されたレーンを折り返しながら2km走る。柔らかい砂地を走るため、足を取られないようにしっかり砂を蹴り続けながら、持久力も必要です。
スタートラインから折返し旗、そして最後のフィニッシュラインまで、離れた目標を見失わずに走り切らなければなりません。
最初に溺者役の選手が約120m沖合に設置されたブイまで泳ぎ、到着したところで手を挙げます。救助者役の選手はそれを確認すると、パドルボードを使って救助に向かいます。ブイに到着すると同時に2名の選手がパドルボードに乗り、浜に戻ります。溺者の確実な確保やサインを認識する判断力が必要となり、実際の救助さながらの緊迫した競技です。女子は過去に世界選手権大会でメダルを獲得したこともあり、日本の得意種目の1つです。1本のパドルボードを2名で乗りこなす、息の合ったパフォーマンスに注目です。
最初に溺者役の選手が約120m沖合に設置されたブイまで泳ぎ、到着したところで手を挙げます。救助者役の選手はそれを確認すると、レスキューチューブとフィンを使って救助に向かいます。ブイに到着すると同時に溺者役の体にレスキューチューブを装着し、浜に戻ります。そして救助者役から溺者役を引き継ぐアシスタント役の選手(2名)が波打ち際からゴールまで溺者役を一気に引き上げます。どのタイミングで溺者役を引き継ぐか、そこが勝負の分かれ道にもなります。スイムの速さだけではなく、溺者役を引っ張って泳いだり、抱えて走ったりと、パワーとチームワークが求められるタフな競技です。
オーシャンマン(オーシャンウーマン)と同じコースで、スイム・ボード・スキー・ランを1チーム4名のリレー形式で行います。チームの総合力が問われる種目であり、選手層の厚いチームが上位争いをする傾向が強くなってきます。大会の最終種目でもあり、チームメイトや観客の方々の応援にも熱が入り、クライマックスにふさわしい白熱した展開が繰り広げられます。
ビーチスプリントと同じコースで、1チーム4名のリレー形式でバトンをつなぎます。1本のコースを行ったり来たり走るので、正面から走ってくる選手のバトンを互い違いで受け取ります。決められたバトンの受け渡しゾーンで、走って来た選手が減速しつつ、次の選手にスムーズにつなげるかが勝負の鍵です。また、足の速い選手4名を揃える選手層の厚さも勝利の必要条件となります。