新しい夏季海岸利用にむけて JLAアクション #2
海水浴場が開設中止であっても夏季の海岸は多くの人が利用します。2020年の夏季海岸利用をむかえるにあたって、JLAは「新たな海岸利用の安全管理体制の整備」と「水辺の安全教育・知識の習得」といった海岸管理者側と利用者側それぞれに事故防止のための取組みが必要と考えます。ここでは新たな海岸利用の安全管理体制の整備について述べます。
1.潜在するリスクの認知
これまでの活動実績より、ライフセーバーが活動する全国約200ヶ所の海水浴場では、心肺蘇生が必要な溺水20~30件、救助2,000~3,000件、応急手当15,000〜25,000件が毎年起きています。水辺の事故防止のためには、海水浴場の開設中止におけるこれらの潜在リスクへの対処が必要です。
2.海水浴場でない場合の海岸利用のルール
海水浴場に関する条例が適用されない場合の海岸利用(安全管理)のルールを決める必要があります。海岸管理者(都道府県等)と市町村が関係者と協議して決めることになりますが、現場で活動しているライフセーバーの考えを共有することは有用です。
3.活動環境の整備と感染予防策の徹底
海水浴場開設中止において、海岸利用の安全管理をライフセーバーが担う場合は、活動中の事故等への対応もふまえ、契約を締結し、補償を整えることが必要です。補償がない条件での活動は推奨できません。
また,ライフセーバーと海岸利用者の十分な感染予防策が必要です。サージカルマスクやフェイスシールドといったPPE(個人防護具)の調達・着用以外に,監視救助活動の方法(チームを細分化してリスク回避)や海岸利用の方法(例えば、海岸利用者の数と海の状況によって遊泳エリアを適宜設定する等)の検討も必要です。
都道府県ライフセービング協会、加盟クラブにおかれましては、都道府県や市町村に各地域の活動実績を説明し、具体的なリスクを共有するとともに、その対処について協議を進めることを推奨します。
また、ライフセーバーが監視だけでなく救助や応急手当を行っていること、監視では予防的対応も行っていることを理解して頂くことも重要です。
~水辺の事故ゼロをめざして 全国のライフセーバーとともに~
2020年6月4日
公益財団法人日本ライフセービング協会